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最終更新日:2021年6月29日
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季刊誌「うみと水ぞく」のスマスイ生物図鑑のコーナーから、スマスイに棲む生きものたちの一部をピックアップしてご紹介します。写真をクリック(タップ)すると、大きな写真をご覧いただけます。掲載は五十音順。掲載内容は「うみと水ぞく」の各号発行当時のもので、現在の情報と異なる可能性があります。
和名の由来となった赤い目は、眼球内の血液が透けて見えているためである。日本固有種で、主な分布は高知県や宮崎県などに限られる。成長するにつれて河口域から海へと下ることが分かっているが、産卵生態についてはまだ解明されていない。東南アジアなどに広く分布するバラマンディと同種と考えられていたが、1984年に片山・多紀らによって別種として記載された。また、最近の研究によって、オスからメスへ性転換することが明らかになった。1mを超える体躯(たいく)と希少性から、釣り人憧れの魚となっている。環境省レッドリスト(2007)では絶滅危惧ⅠB類に指定されており、宮崎県では指定野生動植物として捕獲等が禁止されている。(『うみと水族ぞく』2012年3月号)
現生する爬虫類(はちゅうるい)で世界最大になり、オスは体長6m、体重1tになる一方、メスは最大でも体長3.2m程度である。英名では“Saltwater crocodile”と呼ばれ、河川、湖沼、河口域だけでなく、ワニの仲間で唯一沿岸海域でも活動できる。海を泳いで渡れるため、ワニの中で最も広い分布域を持つ。幼体の時期には、小型の昆虫類、甲殻類、魚類、両生類、爬虫類など多様な食性を示し、成体になると、ウミガメなどの大型の爬虫類の他に、鳥類、ヒトを含めた大型の哺乳類を捕食するようになる。当園では、さかなライブの中で捕食の様子を実演しているが、非常に学習能力が高く、2回目にして餌の投下場所を記憶した。(『うみと水族ぞく』2016年9月号)
名前のとおり「ゾウの鼻」のように、下唇(かしん)が長く伸長している。これは、生息域の泥底に適応し、下唇を泥中に差し込んで底生動物を探すためと考えられている。濁った川や湖沼に生息するため、尾柄部(びへいぶ)に筋肉が特殊化した発電器官を備え、視覚を補っている。体の周りに電場を作り出し、体中の皮膚に存在する電気受容器で電場の変化を感じ取り、周囲の様子を把握することができる。また、運動中枢を担う小脳が非常によく発達しているため、運動機能に優れ、障害物があってもうまく避けて俊敏に自由に泳ぎ回ることができる。(『うみと水族ぞく』2012年9月号)
長いひれと優雅に泳ぐ様子が天使に例えられてこの名が付いた。観賞魚として人気が高いが、軟水を好むことや縄張り意識が強いことなどから、飼育はやや難しいとされる。野生種においても、生息地によって体形や体色の変異が大きい。これは、本種の分布がアマゾン川水系の広範囲に及ぶためである。水中の岩や水草などに産卵し、産卵後はオスとメスがペアで卵や稚魚の保護を行う。(『うみと水族ぞく』2011年9月号)
本種は全長2m前後に達し、おなじみのニホンウナギとは全くの別種でウナギ科では最も広く分布する。九州では「カニクイ」とも呼ばれる。ウナギ類の生態は不明な点が多いが、最近の調査の結果ではオオウナギもニホンウナギも産卵場はマリアナ海域の深海と考えられている。淡水に生息するウナギ類が深海を産卵場としていることが謎であったが、DNAの比較からウナギ科の魚は深海魚のグループと近縁であることが判明し、祖先が深海産であることが示唆されている。(『うみと水族ぞく』2010年6月号)
甲羅が中央部で高く盛り上がるため、正面から見ると頂角が鋭角の二等辺三角形に見える。甲長は最大で17cmほどになる。河川やその周辺の河跡湖、沼地などに生息するが、多少流れがあり日光浴のしやすい緩やかな傾斜の川岸に、水生・半抽水植物が繁茂しているような場所を特に好む。食性は雑食性で、大型個体は貝類を好むようになる傾向がある。餌を探すときは、砂泥や腐食した植物による軟らかい堆積物に鼻先を突き入れるように首を伸ばして水底を歩き回り、当園の展示水槽内でも、しばしばこの行動を見ることができる。(『うみと水族ぞく』2018年3月号)
コイ科の淡水魚で日本の固有種。成魚は全長約4〜6cmで、メスはオスより大きくなる。産卵期は5〜7月頃で、卵は水草などに産み付けられ、1日で孵化(ふか)する。全国的に減少しており、環境省レッドリスト(2007)では、絶滅危惧ⅠB類に指定されている。河川や水路の三面コンクリート化などにより生息域が減少し、ため池では追い打ちをかけるようにオオクチバスの侵入により食害を受けていると考えられている。(『うみと水族ぞく』2010年9月号)
中南米の熱帯雨林に生息する小型のカエルである。皮膚から分泌される毒を吹き矢に使っていたことから「ヤドクガエル」と呼ばれるようになった。また黄色と黒色の派手な体色は、有毒であることをアピールする警戒色である。地上種で普段は落ち葉の下に隠れている。ヤドクガエルの仲間で唯一夏眠するため、乾季に石の下などに集まる習性がある。産卵は樹洞(じゅどう)や着生植物の葉の間などわずかな水場で行い、オスは卵から生まれた幼生を背中に乗せて、餌が豊富で外敵のいない水場に運ぶ。(『うみと水族ぞく』2010年9月号)
メダカの仲間で、尾びれの形と模様、さまざまな色彩が特徴である。愛好家が多く、改良品種も多く存在している。底生生物や藻類を食べる。卵胎生魚で、オスは臀(しり)びれ前部に軟条が棒状になった交接器を持ち、受精した卵はメスの体内で孵化(ふか)し、稚魚が直接生まれてくる。寒い所では生息できないが、全国の温泉地、工場などの温排水の影響で野生化している。特に沖縄では、在来のメダカと餌や生息場所を競合し駆逐(くちく)している可能性があるため「外来生物法」で要注意外来生物に指定されている。兵庫県下でもメダカと一緒に生息している用水路が確認されている。(『うみと水族ぞく』2010年12月号)
砂漠やサバンナといった乾燥地帯に生息する。生息地帯は、気温が日中は上昇し、夜は極端に低下するため、主に明け方や夕方に活動し、それ以外は深い穴を掘ってその中で過ごす。後肢の付け根付近に突起した大型鱗(りん)が蹴爪(けづめ)のように見えることから名前が付いた。草食性で多肉植物、イネ科の植物などを食べる。ワシントン条約付属書Ⅱ掲載種。(『うみと水族ぞく』2011年3月号)
コイ科に属し、全長15cmになる淡水魚。流れの緩やかな河川の中下流域の砂底、または砂泥底に生息する。雑食性で付着藻類なども食べるが、ミジンコやエビ・ユスリカの幼虫などを好む。産卵期は5〜7月頃で、砂泥底に沈性卵を産む。亜種とされるスゴモロコに比べ、吻(ふん)が丸く体高がより高いなどの傾向があるが、分類形質に決定的な差が見られないため、この2亜種を同種とする見方もある。国内での発見時に、模式標本が韓国産であったため、「コウライ」と付いた。塩焼きやつくだ煮、甘露煮として食用とされることがある。地域によっては、「ムギ」「ムギバエ」などと呼ばれている。生息数の減少が危惧されており、兵庫県版レッドデータブック(2003)ではCランクに指定されている。(『うみと水族ぞく』2013年12月号)
全長約5cmの小型のタナゴで、流れの緩やかな小河川や農業用水路に生息し、水生昆虫などを食べる。本種を含むタナゴ類は生きた二枚貝に産卵する。オスは貝の周りに縄張りを持ち、メスを誘導する。メスは腹部から伸びた産卵管を貝の出水管に差し込んで産卵する。卵や仔魚(しぎょ)は安全な貝の中で育ち、やがて自ら泳ぎ出してくる。このように他の生きものに卵を預けて育てることを「托卵」という。本種の産卵期は3〜6月である。環境省レッドリスト(2007)では絶滅危惧ⅠA類、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」により国内希少野生動植物種にそれぞれ指定され、捕獲や譲渡が禁止されている。(『うみと水族ぞく』2010年12月号)
アメリカの代表的な淡水魚。同様の化石がペルム紀(約2億9000万年前〜約2億5100万年前)の地層から発掘されている。「ガー」は古英語で「槍やり」を意味する。体は象牙質とエナメル質に由来する非常に硬いガノイン鱗(りん)で覆われていることが特徴。現生魚類のほとんどの鱗(うろこ)は象牙質とエナメル質が退化していることから、重くて硬い鱗から軽く薄い鱗へと進化したことがうかがえる。また鰓(えら)呼吸と併せて空気呼吸も行う。本種はガーの仲間でも比較的小型で全長60cm程度。観賞魚として人気がある一方で、大型種では飼いきれなくなって放流されたりすることが問題になっている。(『うみと水族ぞく』2010年6月号)
名前に「ウナギ」と付くがウナギの仲間ではなく、コイやナマズに近い。全長2m以上にもなる大型発電魚で、500〜800Vの高圧の電気を出し、餌をしびれさせ捕食したり、外敵をひるませたりする。目は退化してほとんど見えていないが、弱い電気を出して至近距離の餌を探す。小魚を好んで食べる。デンキウナギの消化器官はすべて全長の5分の1ほどの体前部にあり、残り5分の4は遊泳のための鰾(うきぶくろ)と発電のための器官でできている。呼吸は、水中の酸素も取り入れるが、必要な酸素の約80%は水面に浮上し空気を吸い込む空気呼吸によって得ているため、水面に頻繁に顔を出す。(『うみと水族ぞく』2010年9月号)
その姿勢が立派であることから殿様のようだとして「トノサマガエル」の和名が付く。水田に多く生息するカエルであり、日中にも観察できる。警戒心が強く、水場に対する依存が強いため、驚いた際に水中に飛び込める範囲で活動していることが多い。繁殖期になると、オスは黄色を基調とした顕著な婚姻色が現れる。繁殖期は4〜6月で、水田内などの流れがほとんどない浅い水場で産卵を行う。昆虫やクモ、ミミズなど、主に地上性の小動物を捕食する。餌に対して非常に貪欲で、小さなカエルを食べることもある。目の前で動くものがあれば何でも食い付く習性を利用し、子どものカエル釣りの対象となる。(『うみと水族ぞく』2014年6月号)
ナマズの仲間で、下顎(かがく)の先端から2本のひげが長く前に伸びている。全身透明な体をしていて、骨がきれいに透けて見える。河川の流れがある所を好み、中層を大群で泳いでいることが多い。性質は非常に温和。餌は主に流下してくる水生昆虫などを食べる。本種の生息地であるメコン川流域は、世界的に見ても生物の多様性が最も豊かな地域の一つで、生息が特定あるいは推定されている魚種は1,200種以上に上る。しかし開発などによる環境変化の影響が問題になっている。(『うみと水族ぞく』2010年9月号)
日本の固有種で、山間の流れの緩やかな細流に生息する。ホトケドジョウ(Lefua echigonia)とは生態的・形態的に異なる特徴を持ち、分子遺伝学的な差に基づいて約170万年前に分岐した別種と考えられている。流水適応した種として「ナガレホトケドジョウ」という標準和名は与えられたが、新種としては記載されていないため学名が決定していない。圃(ほ)場整備に伴う小河川のコンクリート護岸化や森林伐採などにより個体数が激減しているため、環境省レッドリスト(2013)では、絶滅危惧ⅠB類に指定されている。(『うみと水族ぞく』2014年9月号)
甲長13〜18cmになり、カメでは唯一の日本固有種。主に山麓部の河川や池沼など、水のきれいな場所を好む。魚類、甲殻類、藻類などを食べる雑食性。近縁種のクサガメとは、背甲中央にキール(線状に盛り上がった部分)が1本あり、縁にギザギザの切れ込みがあることで区別できる。冬季には、水中の石の下や堆積(たいせき)した落ち葉の中などで冬眠する。交尾期は9〜翌4月、産卵期は6〜7月で、メスは土を掘り、そこへ一度に数個の卵を産む。卵は2カ月ほどで孵化(ふか)する。幼体は尾が長く、甲羅が硬貨「銭」に似ていることから「ゼニガメ」とも呼ばれる。(『うみと水族ぞく』2011年6月号)
「オーストラリアハイギョ」ともいわれる。アフリカや南米の肺魚類と異なり、胸びれと腹びれは退化せず大きな葉状で、体は鱗(うろこ)で覆われている。また、空気呼吸もするが肺の呼吸機能がそれほど発達しておらず、呼吸は鰓(えら)に依存している。カエルやエビ、貝類などを食べる。産卵期は8〜10月で、浅瀬に生えている水中植物の茂みに卵を産み付ける。オーストラリア固有種で1属1種。ワシントン条約付属書Ⅰ掲載種で国際的商取引が厳しく規制されている。(『うみと水族ぞく』2010年9月号)
タンガニーカ湖固有のシクリッドの仲間で、岩礁地帯に大群で生息している。シクリッドの仲間は卵保護と子育てをすることで知られているが、本種は両親そろって卵や仔稚魚(しちぎょ)を保護し、先に生まれた兄弟たちが親のそばで子育ての手伝いをする。これにより、親は次の繁殖への準備を早い段階から行うことができると考えられている。(『うみと水族ぞく』2011年3月号)
漢字では「白魚」と書き、ケツギョ、コイと並んで中国三名魚の一つで水産上有用種である。全長は1m以上に成長する。英名で「predatory carp(捕食性のコイ)」と呼ばれるように、成魚は魚食性である。全長で24cm以下では水生昆虫やエビ類を捕食しているとの報告もある。繁殖期は地域によってずれがあるが、おおむね6〜7月上旬といわれる。繁殖期にはコイ科の特徴である「追おいぼし星」と呼ばれる白点が体表に現れる。(『うみと水族ぞく』2010年6月号)
頭部から頸部にかけて黄色の細いしま模様を持ち、腹側の甲にある斑が花びら模様のように見える美しいカメで、最大で甲長29cmほどになる。主に低地の池や沼、流れの緩やかな河川などに生息し、食性は雑食性である。生息地では、環境破壊や食用としての乱獲などが原因で生息数が激減している。一方、日本では、かつて養殖個体がしばしば輸入され近年までペットとして流通していたが、野外に放されることでニホンイシガメと交雑し、在来生態系への影響が明らかとなったため2016年10月に特定外来生物に指定された。(『うみと水族ぞく』2017年6月号)
カラシン目アノストムス科に属する魚。本科は、頭を下げた斜めの状態で泳ぐ種類が多く、英名“headstande(r =逆立ちする魚)”の由来となっている。流れの速い岩礁域を好み、気性が荒く、温和な魚との同居は不向きである。食性は雑食であるが草食性が強いので、飼育する場合、水草水槽にはあまり向かない。また同属のL.fasciatus と模様が似るが、本種は9本の横じまと尾びれの先がとがっているのに対して、L.fasciatus は、10本の横じまと尾びれの先が丸いことで区別できる。(『うみと水族ぞく』2011年3月号)
ピラニアの仲間は世界におよそ30種いて、そのうち人に危害を加える可能性がある種類は、本種を含む4種ほどである。鋭い歯と強い顎(あご)を持ち、ほかの魚や、落水した小動物も食べる。当園では「さかなライブ」の時間に餌を与えると、あっという間に餌に群がって食べる。このような行動から、「狂暴な肉食魚」というイメージが強いが、実際は非常に臆病(おくびょう)で神経質な魚で、通常、人を襲うようなことはない。飼育員が水槽内に入り掃除をする際も逃げ回って、パニック状態になってしまうものまでいる。アマゾン川沿岸では、重要なタンパク源として食用にされる。(『うみと水族ぞく』2010年12月号)
全長が4〜5mにもなるといわれる世界最大級の淡水魚。繁殖は砂底に盆状の巣を作り産卵する。産卵後はオスが卵や孵化(ふか)後の稚魚を保護する。また本種は鰓(えら)呼吸と肺呼吸の両方を使う。魚であるが空気がないと溺れ死んでしまい、時折水面に顔を出し「ボコッ」と大きな音を立てて空気呼吸を行う。現在では環境破壊や乱獲のため、ワシントン条約により国際取引も厳しく規制されている。(『うみと水族ぞく』2010年6月号)
うきぶくろが肺のような機能を持っていることから肺魚と呼ぶ。全長1m程度になる。生息地では雨季と乾季があり、乾季に水が干上がる時には、泥の繭を作り、その中で雨季が来るまで眠る(乾眠)。その期間は半年に及ぶこともある。肺魚類はシーラカンス類とともに肉鰭(にくき)綱に分類され、四肢動物はこのグループから進化したといわれている。現生する肺魚類は3科6種で、アフリカ、オーストラリア、南アメリカに生息している。これらの大陸は全て南半球のゴンドワナ大陸起源であり、大陸が地続きだったことを示す興味深い分布をしている。(『うみと水族ぞく』2011年12月号)
ポリプテルスという名前の由来はラテン語で「ポリ」は「数が多い」、「プテルス」は「ひれ」という意味で、「ひれの多い魚」という意味。その名のとおり、背びれの数が多いのが外見上の特徴。その中でもエンドリケリーは大型種で全長70cm以上になる。ポリプテルスの特徴として、鰓(えら)呼吸と併せて空気呼吸を行うことや、鱗(うろこ)は「ガノイン鱗(リン)」と呼ばれる、象牙質とエナメル質でできたひし形の硬い鱗で覆われていること、幼魚期にはサンショウウオの幼生のような外がいさい鰓を持つなど、いろいろな古代魚の特徴をすべて合わせて作られたような魚。(『うみと水族ぞく』2010年6月号)
メスでは全長30cmにもなる大型のカダヤシの仲間で、落下昆虫や小型魚類などを食べる。目の中央に水平に入る特殊な仕切りを水面に合わせ、それより上半分を水面から出して生活している。屈折率の違う空中と水中の景色を同時に見るために水晶体が卵形に変形しており、空中からの光は下側の網膜、水中からの光は上側の網膜で像を捉え、同時にピントを合わせることができる。卵胎生で、オスの尻びれが変化した交接器をメスの生殖孔に挿入し、体内受精を行う。なお、交接器は左右どちらかにしか曲がらず、生殖孔も左右どちらかにしか開かないため、それぞれに相対した組み合わせでのみ交尾をする(『うみと水族ぞく』2016年9月号)
チョウザメ類では中型種で、全長2mを超える程度である。体重40〜80kgで成熟までに12〜13年。生後2カ月から1年の間に性が決定するが、メカニズムは不明。サメと付くがチョウザメ類は軟骨魚類ではなく硬骨魚類。しかし、系統的には特に古く、軟質類という分類群に属し、骨格の硬骨化は進んでおらず、全て軟骨である。本種はオオチョウザメと並んで高級キャビア目的の乱獲と生息域の環境破壊で激減している。ワシントン条約付属書Ⅱ掲載種。(『うみと水族ぞく』2011年3月号)
全長2mに達し、ペルム紀後期には既に出現し、ほとんど姿形を変えていない。現在、飼育している1尾は水族園生まれの34歳で、水族園で最長老の個体である。旧水族館時代の1967年アメリカのクリーブランド水族館から幼魚5尾を頂き飼育していたところ、10年後の77年3月に約200尾が生まれた。日本はもちろんのこと、世界中でも本種の繁殖記録は見当たらず、世界初と考えられる。94年の「うみと水ぞく」第13巻1号をひもとくと、稚魚は日本各地の水族館へ養子に出されたそうである。今はどうしているのか? (『うみと水族ぞく』2011年12月号)
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