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最終更新日:2021年6月29日
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須磨海浜水族園の本館の屋上には、瀬戸内海が見渡せる展望広場があります。私が小学生だった時、そこにはウミガメプールと磯場を模したタッチプールがありました。私はそこで長い間遊んでいた記憶が鮮明に残っています。当時は、その施設に関わることができるとは思いもしませんでした。そしてこの春、屋上展望広場は「水辺のふれあい遊園」としてリニューアルしました。
リニューアルに当たり、どのようなコンセプトにするのかが議論されました。二転三転した議論も、結局、飼育展示部長(当時副部長)が発した「飼育員が作った屋上遊園地にしたいんや」という一言が全体の流れを決めました。部長は40代。昔、百貨店の屋上が大好きで、それに対するノスタルジーを人一倍強く感じているようでした。担当者は遊園地のように楽しい屋上を作ろうと模索を開始しました。
楽しさの基本は、もちろん生きものとのふれあいです。人間の子どもたちはさまざまな動物に触れたがり、餌をやりたがります。スマスイではこれを「優しさの教育」と位置付け、積極的にふれあいを行っています。これまで行ってきたウミガメやリクガメの餌やり、ガラ・ルファ体験に加え、既存のサメのタッチプールのほかにナマコ、ヒトデなどにも触れられるプールを作りました。
一方で苦労したのは、遊園地のように楽しい空間の演出です。今までにないにぎやかな配色にし、硬さを感じる直線をできるだけなくし、丸みを帯びたデザインを心掛けました。そして、夢を膨らませる造形物、例えばカエルやチンパンジーのフィギュアなどを、あちらこちらに配置しました。一見すると、生きものの展示にこだわる水族館らしくない演出です。ただし、それだけでは動きが足りません。そこで、カピバラとカリフォルニアアシカを導入しました。寒さが苦手なカピバラは、温泉に入ることで知られています。冬、屋上は風が吹き、凍えます。カピバラにはお風呂を用意しました。ならば、観覧者もお風呂にということで、カピバラの前には足湯も備えました。この足湯は、カピバラの水に潜る習性を利用して、カピバラのプールに沿う形で設置しました。カピバラがプールに入ると、カピバラと人との距離がぐっと近くなります。カリフォルニアアシカの飼育舎にはふれあいのステージを設けました。ステージにはなんと柵がありません。カリフォルニアアシカの毛並み、質感、息遣いそして匂いなどをじかに感じることができるようになっています。これからふれあいで活躍するのは現在3歳、体重90kgの若いオスで名前は「ナイト」です。成獣になると体重は300kgを超え、おでこが発達して張り出します。ナイトの成長過程を見られることも楽しみの一つではないでしょうか。
『うみと水ぞく』2015年6月号2-3ページ「特集屋上展望広場「水辺のふれあい遊園」リニューアルオープンへ」より
上記の掲載内容は2015年6月時点の情報です。
ネズミ目の中の最大種で、体長は約1.3mになる。主に水辺で生活し、指の間には水かきが発達しており、泳ぎや潜水を得意とする。学名にある“Hydrochoerus”は「水の豚」の意味。草食性で、水辺の抽水植物や浮葉植物のほか、果実、樹皮などを食べる。リーダー格のオス1頭を中心に10~40頭から成るハーレムを作り、数頭のメスとその子ども、それ以外のオスで構成される。交尾は通常水中で行われ、約120~160日の妊娠期間を経た後、2~6頭の子どもを産む。雌雄ともに鼻の上に臭腺があるが、成熟したオスでは特に発達し、鼻の上が楕円形に盛り上がる。オスは臭腺から出る白い粘性のある分泌物を木などに擦り付けることで縄張りを主張する。(『うみと水ぞく』2015年9月号スマスイ生き物図鑑)
生息地域(アンデス山脈以東の南米中北部~パナマ.)
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