須磨海浜水族園のバンドウイルカ

最終更新日:2021年6月29日

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バンドウイルカ

イルカもトレーナー!?(『うみと水ぞく』2019年3月号)

昨年の9月30日で2歳を迎えたバンドウイルカの「ロクマル」は、すでにイルカライブでも活躍しています。そんなロクマルの姿を見たお客さまから、「一体ロクマルはどのようにして先輩イルカに負けないさまざまな演技ができるようになったのですか?」と聞かれることがあります。そこで、今回はその答えをお話しします。

実はライブで披露しているロクマルの演技のほとんどは、遊びの中で出た行動に合図を付けて見せているものです。この2年間、私たちトレーナーはロクマルと水遊びをしたり、ジャンプをしたらリアクションを取ったりと、たくさん遊び、一緒に学び、成長してきました。スプラッシュという水を飛ばすジャンプも、ロクマルが偶然遊びで行った時に私たちが大喜びしたのがきっかけで、頻繁に行うようになりました。遊びの中で演技ができ上がっていくことは珍しいことではなく、よく使う方法なのです。

ロクマルの場合は私たちだけでなく、なんとほかのイルカからも教わっていたから驚きです。ある日のトレーニングでのこと、ランディングという浅瀬に乗り上がる演技の練習をしていたのですが、ロクマルは最後までなかなかうまく乗れず、そのままその日は終了しました。日も暮れ、皆が帰ろうとした時、プールから騒がしい音がするので見に行くと、ほかのイルカと一緒に浅瀬に乗り上がってロクマルが遊んでいたのです。しかも完全に全身を乗り上げていました。水面にはほかのイルカも集まって、何度も何度も乗り上がって遊んでいました。

その日からロクマルは、今までできなかったことがうそのように、自信満々で乗り上がるようになったのです。今では健康管理に欠かせない体重計にもしっかり乗れるようになりました。また、遊びで追いかけっこをして、お腹を上にして飛んでいた行動からバックジャンプができるようにもなりました。追いかけっこに見えた遊びも、もしかしたらほかのイルカから体の使い方を教わっていたのかもしれません。

イルカ同士が持っているコミュニケーション能力はもちろん、ロクマルが持っている身体能力の高さや理解力にも驚かされます。子育て経験のある方がいわれる「子どもの成長は早い」という言葉がロクマルにも当てはまると思えるくらいに、行動の種類が増えました。生まれた時は約20kgだった体も、150kgを超える大きさになってきました。

先輩イルカたちは、四六時中ロクマルに寄り添っていろいろなことを教えています。私たちトレーナーよりもその力を発揮している、まさに名トレーナーです。予想していなかった動きを見せるロクマルから目が離せません。これからどんなイルカに成長していくのか楽しみです。

解説文の出典

『うみと水ぞく』2019年3月号6ページ「ガラスの向こう側イルカもトレーナー!?」より
上記の掲載内容は2019年3月時点の情報です。

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以下は、「#スマスイでかいじゅうを撮ろう」より再掲
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バンドウイルカ

ハクジラ亜目の中で小型の種をイルカと呼ぶ。その数は40種ほどいるが、飼育できる種は少ない。本種は、好奇心旺盛な性格で環境の変化にも慣れやすいため、多くの施設で飼育されている。沿岸で生活する群れと沖で生活する群れが確認されており、群れは沿岸で通常20頭以下だが、沖合では数百頭の群れが発見されることも多い。オキゴンドウ等との混群をつくることもある。尾びれの主たる役割は推進力を生みだすことで、通常時速5~11kmで泳ぎ、短時間なら時速45kmで泳ぐこともできる。背びれは遊泳時の横ぶれ防止、胸びれは舵かじの役割をしている。個体群により異なるが、体長は約2~4m。
『うみと水ぞく』2010年6月号スマスイ生き物図鑑)

生息地域(世界の温帯~亜熱帯)

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