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最終更新日:2021年6月30日
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須磨海浜水族園では1日3回、「さかなライブ」と称した魚の捕食を見てもらうプログラムがあります。そこで、毎日、丸のままの餌の魚を食いちぎっているのがピラニアです。南米に生息するピラニアは約30種が知られていますが、最もポピュラーなのがピラニアナッテリーです。アマゾン川に生息し、鋭い歯で獲物を食いちぎる肉食魚です。その捕食の様子から「アマゾンの人食い魚」などという恐ろしい悪名が付き、映画やアニメなどの作品の多くに恐怖の対象として登場します。しかしスマスイでは前身の須磨水族館の時代から淡水魚の展示を支える人気者だったのです。
歴史をひもとくと、なんと須磨水族館が開館した1957年からピラニアを展示していました。当時の展示方法などは残念ながら分かりませんが、1961年に行われた「水族人気投票」において、カメやエイを退け4位に入っていたところから当時の人気をうかがうことができます。
1964年には熱川バナナワニ園のご厚意により、「日本生まれ」のピラニア50匹がやって来ました。大きさはわずか5cmほどですが、体色が銀色に輝くピラニアたちを1つの水槽に展示するととても美しかったようです。これが現在の「ピラニア大量展示」につながります。
そして、須磨海浜水族園が1988年にオープンし、生きものたちが餌を捕る様子を再現する「さかなライブ劇場」が誕生しました。当初は、群れで暮らすピラニアを1,000匹以上展示しようという案が出され、方々からかき集めてその展示が実現しました。当時の飼育日誌によると、ピラニアたちは臆病で餌を捕らないこともあったようですが、徐々に水槽に慣れて、やがて迫力のある摂餌行動を見せるようになったようです。
さかなライブ劇場開場から3年後の1991年、ピラニア水槽の濾ろ過か槽そうで小さく透明な魚が見つかります。孵ふ化か直後とみられるその稚魚は何者なのかは分かりませんでしたが、当時の担当者の日誌からは、ピラニアの稚魚ではと期待していた様子がうかがわれます。1カ月の飼育の末、その稚魚は見事にピラニアの風貌になり、担当者を感動させました。これがスマスイでの初のピラニア繁殖となりました。
それから4年後の1995年、繁殖によって1,500匹にまで増えたピラニアたちでしたが、突如神戸を襲った阪神・淡路大震災により、わずか2匹を残して全滅してしまいました。その後、関係各所の協力により、何とか幼魚1,500匹で展示を再開することができましたが、大迫力のライブが再び実現するには年月がかかりました。
震災から13年後の2008年、再び繁殖が確認されました。以降、順調に繁殖は継続されており、今では約500匹のスマスイ生まれのピラニアが水槽で泳いでいます。数は減ってしまったものの、ライブの迫力は昔と変わらずお客さまを楽しませてくれています。
『うみと水ぞく』2014年12月号5ページ「スマスイいきものHISTORY」より
上記の掲載内容は2014年12月時点の情報です。
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