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南海トラフ地震臨時情報 ~事前の備えが大切~

最終更新日:2024年9月18日

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2024年8月8日に南海トラフ地震の想定震源域に当たる日向灘でマグニチュード7.1(モーメントマグニチュード7.0)の地震が発生し、気象庁は初めて「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表しました。

今回は、この「南海トラフ地震臨時情報」の解説をします。(この記事は、2024年9月18日に掲載しています。南海トラフ地震については、以下の記事を参照してください。)

第26回南海トラフ地震

南海トラフ地震臨時情報とは

南海トラフ地震臨時情報は、南海トラフ沿いで異常な現象が観測された場合や、発生の可能性が通常と比べて相対的に高まったと評価された場合等に、気象庁から発表される情報です。
(注)「南海トラフ地震臨時情報」は特定の期間に地震が発生することを具体的にお知らせするものではありません。

臨時情報には、「調査中」、「巨大地震警戒」、「巨大地震注意」、「調査終了」の4種類があり、下表の4つのいずれかのキーワードを付記して「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」といった形で発表されます。

最も危険度が高い「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)」が発表されたときには、後発地震が発生してからの避難では津波の到達までに避難が間に合わないおそれのある地域(これを「事前避難対象地域」と言います)に対して、地元市町村から事前避難の呼びかけが行われます。
(注)神戸市内には「事前避難対象地域」はありませんので、神戸市では事前避難の呼びかけは行いません。

避難情報の種類とキーワードが付記される条件(気象庁ホームページ資料を加工)
キーワード 各キーワードが付記される条件
調査中 ・監視領域内でマグニチュード6.8(Mj)以上の地震が発生し、南海トラフ地震との関連性について調査
 を開始する場合
・想定震源域内のプレート境界で通常と異なるゆっくりすべりが発生している可能性がある場合など、
 南海トラフ地震との関連性の検討が必要と認められる場合
巨大地震警戒 想定震源域内のプレート境界においてマグニチュード8.0(Mw)以上の地震が発生したと評価した場合
巨大地震注意 ・監視領域内で、マグニチュード7.0(Mw)以上の地震が発生したと評価した場合
・想定震源域内のプレート境界面において、通常と異なるゆっくりすべりが発生したと評価した場合
調査終了 (巨大地震警戒)、(巨大地震注意)のいずれにも当てはまらない現象と評価した場合
※Mj:気象庁マグニチュード(地震計で観測される波の振幅をもとにして計算したマグニチュード)
※Mw:モーメントマグニチュード(岩盤のずれの規模をもとにして計算したマグニチュード)
※ゆっくりすべり:住民が揺れを感じることがない、プレート境界面のゆっくりとしたずれによる地殻変動

2024年8月8日に発表された南海トラフ地震臨時情報

2024年8月8日16時43分頃に宮崎県沖の日向灘で発生した地震では、気象庁は南海トラフ地震との関連性について調査するために、南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会を開催するとして、8日17時00分に「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」を発表しました。その後、評価検討会で検討された結果として、「南海トラフ想定震源域では、大規模地震の発生可能性が平常時に比べて相対的に高まっている」として、8日19時15分に「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表しました。

神戸市では、この臨時情報の発表に伴って、8日20時30分に災害警戒本部を設置し、市民のみなさんに、神戸市ホームページや神戸市公式Ⅹ(旧Twitter)などで、日頃からの地震への備えの再確認(家具の固定、非常用持ち出し袋の準備、水や食料の備蓄確認、避難場所や避難経路の確認)等の呼びかけを行いました。
また、市の備蓄の点検や飲料水・生活用水の供給体制の確認、防潮門扉等の施設点検などを実施するとともに、市が管理又は運営する施設等に関する対策として、施設の防災点検、設備・備品等の転倒・落下防止措置等の必要な措置を実施しました。

リーフレット「南海トラフ地震-その時の備え-」(内閣府ホームページより)

臨時2

神戸市においては、巨大地震警戒・巨大地震注意ともに事前避難対象地域の指定なし

南海トラフ地震臨時情報が発表されたらしてほしいこと

「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」や「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)」が発表されたら、巨大地震の発生の可能性が通常よりも高まっていることから、自宅やよく行く場所の周辺のハザードマップ、避難場所・避難経路、家族との連絡手段、非常持ち出し品などをしっかり確認し、巨大地震の発生に備えてください。
(注)家庭内での備蓄や非常持ち出し品は、南海トラフ地震臨時情報が発表されてからではなく、日ごろから備えておくことが大切です。個人や家庭で備えておくべきものについては「災害に対する備え」を参照してください。


住民、企業の防災対応の流れ
「南海トラフ地震の多様な発生形態に備えた防災対応検討ガイドライン【第1版】」(内閣府より)
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気を付けてほしいこと

南海トラフ沿いで異常な現象が観測されず、臨時情報の発表がないまま突然に南海トラフ地震が発生することもあります。逆に、臨時情報が発表されても、南海トラフ地震が発生しないこともあります。

2024年8月8日に発表された臨時情報に伴う政府としての「特別な注意の呼びかけ」は、地震発生から1週間が経過しても異常な現象が観測されなかったことから、8月15日17時をもって終了しています。しかし、南海トラフ沿いの大規模地震は、「平常時」においても今後30年以内に発生する確率が70%から80%あり、大規模地震の可能性がなくなったわけではありません。南海トラフ沿いでは、いつ大規模地震が発生してもおかしくないことを十分に意識して、「日頃からの地震への備え」を続けていくことが大切です。

お問い合わせ先

危機管理室総務担当