最終更新日:2024年12月12日
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神戸市は大都市でありながら、都市近郊に里山が広がる自然豊かな都市です。この豊かな自然環境を財産として最大限活用し、本市独自の特色・差別化を図る先駆的な挑戦に取り組んでいます。
このプロジェクトでは、社会課題のひとつである耕作放棄地の再生を目指し、付加価値のある農産品の栽培にチャレンジしています。
2023年から始めた、強健かつ農薬をあまり使わずに育てられると言われている古代小麦の栽培の取り組みとこれから目指すことを紹介します。
全国的に少子・高齢化や後継者不足、農産物価格の低下によって農業従事者が減少し、以前耕作していた土地で今は栽培する意思のない土地、耕作放棄地が増えています。
このままでは、食料自給率の低下や生物多様性への影響、ごみの不法投棄の発生、災害リスクの高まりなど多くの問題につながります。
(再生前の耕作地)
(草刈りの様子)
耕作放棄地を再生した耕作地で何を育てるか、我々は「古代小麦」に注目しています。古代小麦はパン用小麦の原種で、強健で農薬をあまり使わずに育てられ、栄養価も高く香ばしいという特性があります。しかし、収穫量が少なく、殻が固いため加工に手間がかかり、生産性が低いのが現状です。それでも、育てやすい特性は「栽培する人材を育てる」点でコストメリットが大きく、高栄養価の食物はこどもたちの健やかな成長に繋がると考えています。
2023年は、神戸市北区の耕作放棄地にて、本市職員や大学生が主体となって草刈り、土壌改良、耕し、電柵張りなど農場整備を行い、古代小麦の種をまきました。
つづく2024年の夏、収穫を行い、神戸で収穫した古代小麦100%のパンを市民に提供するイベントを企画し、弓削牧場では約300名の方に来場いただくとともに、アイパーク神戸北の住宅展示場内で実施されているこども食堂にて、10名を超えるこどもたちに古代小麦パンを提供することができました。
(2024年5月の小麦畑)
(2024年9月の古代小麦パン配布イベント)
(2024年7月の小麦の収穫)
2024年秋に古代小麦の次の種まきを終え、引き続き耕作地の拡大や新たな耕作者を呼び込むしかけを検討しています。
さらに今後は、SDGsの根本にある「誰ひとり取り残さない社会」という考えに基づき、アレルギーなどに不安を抱える市民に安心できる食を提供することを目指し、古代小麦に限らず、付加価値のある農産品の栽培により、耕作放棄地の活用と新たな栽培者の参画を促すことで、食の安全だけでなく、里山保全など環境面への波及など多様な効果が望めるよう検討していきたいと考えています。
神戸市外に本社のある企業が、神戸市のプロジェクトに寄附をされる場合、税軽減が受けられます。
また、企業や個人の方からのプロジェクトへの参加もお待ちしています。
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